考えていますか?賃貸マンションの修繕計画

不動産投資

賃貸マンションの修繕計画考えていますか?

賃貸マンションやアパートの維持管理、将来を考える上で長期修繕計画は非常に重要ですが、分譲マンションと違い賃貸物件の場合は劣が化目立ってから修繕を慌てて行うケースが多いのが実情です。

そこで、今回は分譲マンションの長期修繕計画を例に、一般的な物件の共用部修繕についての目安期間をご紹介したいと思います。なお、修繕周期の見解には様々なものがありますので必ずこの通りに行わなくてはならない、という訳ではございません。あくまで、参考としてください。

●屋上防水

鉄筋コンクリートなどの陸屋根にある屋上防水は10年の施工業者の保証が付いている事が一般的です。札幌ではアスファルト防水という工法で施工されていることが多く、概ね15年周期で行う事が望ましいです。

●外壁塗装

木造はサイディング張りが多く、15年~20年ほどでサイディングの間のコーキングが切れたり、塗膜が薄くなり壁を触ると手に白い粉が付くチョーキング現象が発生します。また、30年以降になるとサイディング自体が劣化する事も多く、その場合はサイディング自体を張替、またはサイディングを上張りする必要があります。

鉄筋コンクリートも同様に塗装のチョーキング現象が発生し始めるのが同等の時期のため15年~20年周期で塗装する必要があります。

●鉄部

10年ほどで金属部分の錆が発生したり、腐食が始まります。錆落としや塗装などのメンテナンスをこまめにすることで、腐食して板金するという事も減ります。

●給水ポンプ

給水ポンプは必ず定期的にチェックが必要です。通常はポンプが2つありどちらかが壊れても稼働するようバックアップされていますが、基盤の故障などにより完全に使えなくなる事も考えられます。入れ替えには数カ月を要することもあり10~15年に1度入れ替える必要があります。完全に止まってしまう事と多大なるご迷惑を入居者様にかけてしまうため、必ず定期的に入れ替えを行いましょう。

●エレベーター

適正な保守点検を行っていれば20年から25年維持できるとされています。25年目にはメーカーから修理部材が無いため、入れ替えを提案されることがほとんどです。

●電動シャッター

軽量電動シャッターの場合、10年、または5000回の開閉がメーカーの目安とされています。使用回数が増えるほど開閉に時間がかかるようになり、入居者さんがストレスに感じる事も多いですが、前項の補修が優先される事が多く後回しになりがちです。

●給水管等

部材により大きく異なります。お部屋の給水管が鉄管の場合25~30年前後になるとピンホールによる水漏れが多発します。銅管も同様に接続部分やL型の継手部分が腐食しピンホールが発生します。

そのため、25~30年に空室になった部屋から現在主流で使われている架橋ポリエチレン管に交換することをお勧めします。

鉄筋コンクリートや鉄骨造など、共用部を通る給水管がある場合については、コンクリ壁を抜かないといけないなど、大規模になるため状況に応じ交換するかを検討しましょう。賃貸マンションで交換するケースは比較的稀です。

●排水管

賃貸マンションでは、基本的に問題が起きないと交換することはありません。

●共用部の電灯

蛍光灯が付いている場合は、故障等した場合はLEDに交換するしかありません。

それは政府の方針として、2030年までにすべての機器をLEDや有機EL照明に移行を進めているため、すでに照明機器メーカーの蛍光灯の本体の生産は終了。交換用の蛍光灯も減産体制になるため、LEDの電灯へ交換していきましょう。

●オートロック・インターフォン

オートロックの寿命はメーカー推奨で10~15年とされています。施工から10年目に故障した場合はまるごと新品に交換という事も珍しくありません。ですが、実際はそれ以上に稼働することも多く、故障の兆候がでてから手配でも問題はないと思われます。オートロックと連動するインターフォンについては、メーカー推奨は15年です。こちらも実際には15年以上稼働する事も多いですが、一度故障してしまうと全体入れ替えには数カ月かかり、入居者様へご迷惑をかけることになるので定期的な入れ替えを推奨します。